夏風邪のおはなし

2019年 9月 1日 日曜日

外は暑くて、室内は冷房で寒い…夏風邪をひいてしまった方はいませんか?

 

今回は、ドラッグストアで購入できる、のど風邪にオススメの漢方薬を2種類紹介します!

 

■その1

今や冷房なしには過ごせない日本の夏。

でも、冷房を使うと乾燥で声がカスカスになっちゃう…

そんな時におすすめなのが【麦門冬湯(バクモンドウトウ)です!

 

?こんなとき使う

乾燥して声が枯れている

ケホケホと乾いた咳が出る

乾燥して痰が絡む感じがある

 

?おすすめする人

咳は止めたいが、口が乾いたり 眠くなる薬は使いたくない人

 

?おすすめしない人

痰がたくさんでる人

 

?入手するには

ドラッグストアで購入

病院で処方してもらう

 

【麦門冬(バクモンドウ)】という生薬が肺と喉に潤いを与えてくれます。

肺が潤うことで、乾いた咳や声のかすれ、乾燥による痰を和らげます。

 

潤いを与える薬なので、痰がたくさん出ている時に飲むと 痰がもっと出てしまうかもしれません?その場合はおすすめしません。

 

 

以前文献で、体の中で 声帯に水分が届くのは1番最後 と読んだことがあります。

ということは 声帯からは水分が抜けやすいし、潤いにくいということ。

 

漢方薬の中では 甘味があって飲みやすい味です。

眠くなる成分は入っていませんのでご安心を?

 

 

 

■その2

朝起きたら喉が痛くて 寒気はない、なんて症状の方にオススメの漢方薬は【銀翹散(ぎんぎょうさん)】です。

 

特に 喉からくる風邪のひき始めにぴったりです。

 

?おすすめする人

風邪のひき始めで喉の痛みが強い

寒気はしない

 

?おすすめしない人

寒気がする風邪

 

?入手するには

ドラッグストアで購入

 

 

銀翹散に入っている【金銀花(キンギンカ)】という生薬は頭部の炎症を抑える効果があります。喉の痛みや頭痛に良く効きます。 【連翹(レンギョウ)】には化膿止めの効果もあり 喉が腫れないようにしてくれます。

 

喉の痛みに効く【桔梗(キキョウ)】【甘草(カンゾウ)】も入っています。

 

銀翹散は体を冷やす効果が強いので、寒気がする風邪の場合は悪化させてしまうかもしれません。寒気がする風邪の場合は、葛根湯(カッコントウ)や麻黄湯(マオウトウ)がオススメです。

 

ドラッグストアで粉タイプと液体タイプが売っています。

液体タイプを冷蔵庫で冷やして喉に絡ませて飲む(=ガラガラうがいして飲み込む)のがオススメです。喉の熱をよく冷やしてくれます。

 

粉のままでももちろん効きます。

 

処方せんでもらえる薬ではないので、病院・調剤薬局ではもらえません。

 

味は少し苦味が強いです。連翹が苦いです。【薄荷(ハッカ)】も入っているので飲むとスーッと清涼感も感じられます。

 

 

「風邪かも?」と思ったその日にすぐドラッグストアで購入して薬を飲めば、病院にかかるよりも、お金も時間もかけずに治療できることもあります。

病院に行ったほうがいいか自分で判断がつかない時や、通院中・妊娠中の方は、ドラッグストアで薬剤師か登録販売者に相談してください。相談自体は無料ですのでお気軽に!

 

 

 

お酒の強さのおはなし

2019年 8月 15日 木曜日

皆さんは、お酒は強い方ですか、弱い方ですか?

「お酒が弱い人」と「お酒が強い人」にはどのような違いがあるのでしょうか。

 

お酒の主成分であるエタノールは主にアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)という酵素によりアセトアルデヒドに代謝された後、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)という酵素によって酢酸とアセチルCoAに分解されます。

 

アルコールを分解する過程で生じるアセトアルデヒドは毒性が強く、顔面紅潮、動悸、頭痛、吐き気などを引き起こします。このアセトアルデヒドを速く分解してしまえるかどうかが重要となるのです。

 

アセトアルデヒドを分解する酵素であるALDHには次のような型があります。

・ALDH1 アセトアルデヒドが高濃度にならないと働かないタイプ

ALDH2 アセトアルデヒドが低濃度でも働くタイプ

 

このうち、ALDH2の活性がどれだけ強いかがその人のお酒の強さに関係しています。

活性の強いALDH2の遺伝子型を *1、全く活性のないALDH2の遺伝子型を *2と表します。

これらの遺伝子を両親から一つずつ貰うため、その組み合わせによりALDH2の強さのタイプは以下の3つに分けられます

・*1/*1 高活性型。お酒に強い。

・*1/*2 低活性型。活性の強さは高活性型の1/16。お酒に弱いか、ある程度は飲める。

・*2/*2 無活性型。お酒は全く飲めない。

 

日本人の約40%は低活性型 (*1/*2)、そして約5%は無活性型 (*2/*2) のALDH2を持つと言われています。

つまり、実は日本人の約半分が生まれつきお酒に弱いということなのです。

 

加えて日本人は、活性の強いアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)を持つ人が多いと言われています。

ADHの活性が強いということはエタノールが速く分解されてアセトアルデヒドになるということですから、日本人は「酔いが覚めやすく悪酔いしやすい」民族であるともいえるかもしれません。

 

ちなみに、「訓練すればお酒に強くなる」というのは半分正解で半分不正解です。というのも、お酒を多量に飲み続けることでADHやALDH2以外のアルコール分解酵素の量が増えることがありますが、肝心のADHやALDH2の活性は遺伝で決まっており、変わることはないからです。

 

お酒の強さは生まれつき個人差があることを理解して、自分の体質に応じた飲み方を心掛けることが大切です。

 

医療機関での『ご本人様確認』のおはなし

2019年 8月 1日 木曜日

 

病院で検査をする前や、薬局でお薬をもらう時などに、毎回『ご本人様確認』をされると思います。

医療過誤防止のための本人確認は、現在ではかなり認知されてきました。

とはいえ、体調が悪くて医療機関に出向かれているのです。何度も名乗ることに煩わしさや、医療者がすべき仕事ではないかと感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

 

私は高校生の時、怪我で数ヶ月間通院したことがあります。

とある外来での診察日、主治医の先生が開口一番、仰ったのです。

「あなたと同姓同名、同い年で、血液型も同じ患者様が来られています。その方は○○(私の怪我とは異なる患部)を治療されているので、今後、私たちの話を聞いていて、もし何かおかしいと思ったら、言ってください。」と。

“えーっ、そんなことを患者任せにするの?自分たちが間違う(=患者を取り違える)って言ってるようなものじゃない!?しっかりしてよ!!”と感じたものです。

 

ところが、実際に薬剤師として病院で働いてみると、取り違えが起こりそうな事例が想像よりはるかに多いことに驚きました。

眼科病棟の担当薬剤師をしていた当時、同姓同名,同世代,似た背格好の患者様が、同じ手術目的で,同じ日に入院してこられたこともありました。一人は右眼、もう一人は左眼の手術をする患者様でした。

万が一取り違えてしまったら…考えるだけで恐ろしいです。

 

危険なのは同姓同名だけではありません。発音すると聞き間違いをしやすい名前や、漢字表記が見間違いをしやすい名前など、要注意な名前の組み合わせも数多く経験しました。

 

 

医療従事者は、氏名だけではなく、性別,年齢,治療疾患なども意識しながら患者様と接しています。患者情報が記録されたバーコード付きのリストバンドも取り入れています。それに加えて、取り違えのリスクが高い患者様の情報はスタッフ間で共有し、注意喚起のための対策をとります

 

残念ながら、それでも人は、思い違いや見逃しを100%無くすことは出来ないのです。

そのため、医療過誤防止の有効な手立てのひとつとして、治療上の処置や投薬の度に『患者様と共にご本人様確認』をしています。

 

その際は、「□□様でいらっしゃいますね?」と患者様に確認を委ねるのではなく、「お名前をお教えいただけますか。」と患者様に名乗っていただくことをお願いし、それを私たちが確認します。

 

 

病気や怪我をされた時、治療の主役はあなたです。

自分のことは自分で守るぐらいの心構えで、ぜひ積極的にフルネームで名乗ってください。

 

 

最後に…

私たち薬剤師が患者様にお薬をお渡しするときは、お薬の効果と副作用、正しい使い方をご説明します。お薬に変更があった場合の説明も重要です。

もし、いつもとお薬が変わっているのに、何も説明がなければ、必ず薬剤師に質問してくださいね。