頭痛のおはなし

2019年 6月 15日 土曜日


 

季節の変わり目、気圧の変化が大きいと、頭が痛くなる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

あるいは気圧の変化に関係なく、頭痛もちの方もいらっしゃると思います。

一口に頭痛といっても種類があり、種類によりお薬が異なるのはご存じでしょうか。 頭痛には大きく分けて2種類あります。

 

 

 

緊張型頭痛→ 緊張やストレスでおこる、頭が締め付けられるような頭痛

片頭痛→ 原因は不明で、心臓の拍動に合わせてズキンズキンと痛む頭痛

 

緊張型頭痛は、頭のまわりの筋肉が緊張して固まることで起こります。 それに対し、片頭痛は頭の中の血管が急激に広がることで起こります。 このように頭痛のメカニズムが異なるため、使用するお薬も異なるのです。

 

それでは、どんなお薬を使うのでしょうか。

 

緊張型頭痛→ ロキソプロフェンナトリウムやイブプロフェンなどNSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛薬

片頭痛→  ~トリプタンという名前の薬

緊張型頭痛に使えるお薬は薬局やドラッグストアでも手に入りますが、片頭痛のお薬は医師に処方してもらう必要があります。

 

 

頭痛もちの方は、もしかして片頭痛かな?と思ったら一度病院で診ていただくと良いかもしれません。 また、片頭痛がおこる前の対処も重要です。 チョコレートや赤ワインは片頭痛を誘発すると言われています。これらの飲食物の摂りすぎには気を付けましょう。

 

貧血のおはなし

2019年 6月 1日 土曜日

 

血液はからだの中を循環する、なくてはならないものです。

それでは、貧血とは、血液が足りなくなることをいうのでしょうか。

 

まずは血液についてです。血液は赤血球・白血球・血小板という細胞成分、血漿という液体部分から成り立っています。

赤血球:酸素の運搬をするヘモグロビンというタンパク質を含む

白血球:異物処理、細胞を貪食する(免疫機能)

血小板:止血作用

血漿:物質の運搬、体液の一定保持

 

そして貧血についてです。

「血液中の赤血球の減少、あるいは、赤血球中に含まれるヘモグロビン値が低下している状態」のことを指します。

お医者さんは、血液中の赤血球数、ヘモグロビン(赤血球の大部分を占める)の量、ヘマトクリット(血液中に占める赤血球の容積率)の値で貧血かを判定します。ヘモグロビン値が男性13.0g/dL未満、女性11.5g/dL未満を貧血の目安にしています。

 

中等度以上(ヘモグロビン値:9g/dL程度以下)の貧血や、急速な貧血では、以下のような多様な症状が起こります。

皮膚・粘膜蒼白、微熱、息切れ、倦怠感、頭痛、耳鳴り、めまい、失神、易疲労感

 

血液中のヘモグロビンが減ると、酸素を運搬する力が減り、身体全体は酸素不足になります。これを立て直すために、からだは心拍数や心拍出量を増大させ、呼吸数も増やしてしまいます。

 

貧血の原因には、赤血球の産生減少(造血幹細胞またはその分化障害、赤芽球の増殖成熟の障害)と赤血球消失量の増大(溶血や出血)が考えられます。

また、貧血の治療は不足した成分を補うことが基本です。

 

◎赤血球の成熟に必要な成分不足による貧血 

  • 鉄欠乏性貧血

[治療薬]鉄剤(経口・注射)

 

 

  • 巨赤芽球性貧血
  • ⇒ビタミンB12または葉酸の不足(DNA合成をとめてしまう)

・ビタミンB12欠乏性貧血(悪性貧血)

[治療薬]ビタミンB12製剤(注射)

・葉酸欠乏性貧血

[治療薬]葉酸(経口)

 

  • 腎性貧血
  • ⇒腎臓で産生され、赤芽球前駆細胞を分化や増殖するエリスロポエチンの不足

[治療薬]エリスロポエチン製剤

 

◎赤血球の産生障害による貧血

  • 再生不良性貧血[治療薬]タンパク同化ステロイド:メナテトレノン
  • 抗胸腺細胞グロブリン、骨髄移植
  • ⇒造血幹細胞の異常
  • 二次性貧血(悪性腫瘍・感染症・腎不全)

 

◎赤血球破壊の亢進による貧血

  • 自己免疫性溶血性貧血[治療薬]糖質コルチコイド(ステロイド)、免疫抑制剤
  • ⇒赤血球に自己抗体ができてしまう

 

貧血の多くは鉄欠乏性貧血です。この貧血は、食事からの摂取量では足らず、鉄剤を服用しなければなりません。ヘモグロビン値が基準に戻ったからと言って、すぐに治療を終了してしまうと再び貧血になってしまうおそれがあります。ゆっくりと治療を続けて回復を待ちましょう。

また、貧血の原因には消化管や婦人科領域に原因があるかもしれません。貧血かもしれない、と思ったら病院で原因を明らかにしましょう。

 

 

 

ハチミツについてのおはなし

2019年 5月 15日 水曜日

○ミツバチが作りだす天然の化合物

みなさんは、プロポリスについてご存じでしょうか?

菌やウイルスから巣を守る目的でミツバチが作るため、“天然の抗生物質”ともいわれる稀少成分プロポリス。

そもそもの由来は、ギリシャ語の「前」や「防御」を意味するproと、「都市」を意味するpolisを語源とする複合語で、「都市(ミツバチの巣)の防壁」という意味があります。

強力な抗酸化作用や抗菌・殺菌、抗ウイルス作用などこの時季にも役立つ様々な働きをもっています。今回はそんなプロポリスの多彩な働きをご紹介します。

 

○自然治癒力を高めてくれる

プロポリスには300種類以上の化合物が含まれていると言われています。樹脂、ミツロウ、精油、花粉、有機酸、脂肪酸、アミノ酸、ミネラル、ビタミンなど栄養素も非常に豊富です。

 

プロポリスは抗菌・殺菌作用、抗酸化作用、抗ウイルス作用、鎮痛作用など、非常に多岐に渡る作用を持っています。総合して表現するとしたら、免疫力の向上、自然治癒力を高めるという言葉が当てはまるかと思います。

そして免疫力増強作用などがあることから、次のような働きが期待できます。

 

・風邪予防

抗ウイルス作用をもつプロポリスは、ウイルスの飛散量が多く、風邪をひきやすくなるこの時季に役立ちます。

 

・インフルエンザ対策

プロポリスの抗ウイルス作用には、インフルエンザウイルスの増殖を抑制する働きがあることも報告されているため、インフルエンザ対策にも有効といわれています。

 

・口内炎の予防や改善

口内炎ができる原因のひとつには、口の中の衛生状態がよくないことが挙げられます。歯磨きやうがいを怠ると、細菌やウイルスが増殖。口内の小さな傷に感染し、口内炎ができやすくなるのです。

プロポリスには、抗菌・殺菌作用で口内を清潔に保つと同時に炎症を抑える働きもあるため、口内炎の予防にも効果が期待できます。

 

その他、老化予防、もの忘れ予防、肥満・メタボ予防など様々な研究が現在も続けられているようです。