ステロイドのはなし
2013年 2月 15日 金曜日
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以前働いていた薬局には、皮膚科の患者さんも多かった。
私はステロイドの入った薬を説明するときあえて「ステロイドです」とは言わず、
「炎症を抑える薬です」と言っていた。
ステロイドであることは事実なので「ステロイドですか?」と聞かれればもちろん「そうですよ」と答える。
しかし、患者さんの「ステロイドですか?」という一言の裏には決して肯定的な雰囲気は感じられない。
「どうしてですか?ステロイドって気になりますか」
と尋ねると、
「だって怖い薬でしょ?」
と言われる。
だからと言ってどうして怖いのか尋ねても、答えられる患者さんはいない。
ただ何となく怖いのだ。
マスコミによるステロイドバッシングがあり、アトピービジネスが横行したのは、かなり以前のことだが、“ステロイド”という単語だけが独り歩きをし、未だにわけのわからないぼんやりとした怖い印象だけが残っているらしい。
患者さんにとって、怖いものは怖いのだ。そこにはおそらく理由などないのだろう。
それを否定することはできない。薬剤師として、適切な強さのステロイドを適切な量で、適切な期間塗ることが大事であること、また、決して怖い薬ではないことを何とかわかってもらえるように説明する。
ステロイドの塗布量の目安としてフィンガーチップユニット(FTU)というのがある。
1FTUは5gチューブ入りの軟膏を、大人の人差し指の指先から第一関節まで出した時の量で、これを大人の手のひら二つ分の範囲に塗るのが適量というもの。
Posted by pharmacist008.
カテゴリー: コラム