第Ⅰ類医薬品(一般用医薬品)についてのはなし

2012年 6月 29日 金曜日

「ちょっと具合が悪くなったとき、いざドラッグストアに行ってみると、種類もたくさん薬を買えば良いのかわからない・・・。」

そんな経験ありませんか??

今回のおはなしは、そんな時に知っておくと役に立つ、
ドラッグストアにおいてある薬についてのお話です

 

 

薬局やドラッグストアで購入できる一般用医薬品(いわゆる大衆薬)は、平成19年に大きく販売方法が変わりました。一般用医薬品は、副作用の可能性がある危険度によって、次の3区分に分けられています。(これをリスク分類と言います)

①第Ⅰ類医薬品
②第Ⅱ類医薬品
③第Ⅲ類医薬品

このうち、第Ⅰ類医薬品
・その副作用等により、日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずる恐れがある医薬品
・使用に関して特に注意が必要なもの
と定められており、原則、薬剤師さんから書面での説明を受けなければ購入が出来ません。

今まで病院で処方薬として使っていた方、あるいは、効き目の良い薬が手軽に欲しい方にとっては
「面倒だなぁ・・・」
と感じるかもしれません。

でも、ご存知でしたか?
病院での処方薬は、患者さんが知らず知らずのうちに、医師や薬剤師に守られながら使っているのです。

薬局では、よく次のような事を聞かれます。

「どんな症状ですか?」 → どの薬がこの方に最適だろうか?
「他に使っている薬はありますか?」 → 使い合わせは問題ないだろうか?
「調子はよくなりましたか?」 → 予想した効果はあっただろうか?
「使ってみて調子が悪くなりませんでしたか?」 → 副作用は無いだろうか?

それが、一般用医薬品だと、全て使う人・購入する人が判断して使う事になります。
時には間違った症状で使ってしまう可能性や、一緒に使うと危険な薬があるかもしれません。
そのために、かえって体調を崩す場合もあるのです  

 

 

第Ⅰ類医薬品は、先ほども述べたようにリスクの高い医薬品です。
そのために、これらのチェックも兼ねて、薬剤師は皆様の体調を確認し、説明をします。

せっかくの機会ですので、薬について、疑問に感じていることなども合わせて聞いてみてはいかがでしょうか?
薬剤師も皆さんからの質問をお待ちしていることでしょう

とあるオリンピック選手のはなし

2012年 6月 16日 土曜日

今年はいよいよロンドンオリンピックです!
楽しみですね~ フレーフレー日本!

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、オリンピックの水泳競技のバタフライに、星奈津美選手が出場します。星選手はバセドウ病と闘いながら、オリンピック出場を決めました。

バセドウ病はわりとよく聞く病気だと思います。(最近の話題では、歌手の絢花さんが休業した原因となった病気です。)
症状としては、甲状腺の機能が上がり、基礎代謝が上がることで動悸、発汗、倦怠感、体重減少などのほか、イライラ、落ち着きが無い、集中力がない、不眠などの精神症状もあらわれます。

こういった症状はかぜをひいて、発熱、くしゃみやせきをするといったような他人にわかるような症状でないため、病気のつらさを他人にわかってもらえないことがあります。(本人はかなり辛いのですが・・・)

例えば、、

・不眠のため朝起きられないという症状がでても他人にはただのなまけ者と思われてしまう
・基礎代謝が上がるため健常人より疲れやすいので、さぼっていると思われる

などなど、本人にしかわからない辛さがあるのです!!

そんなバセドウ病と闘いながら、(動悸など心臓にも症状が出るので、激しいスポーツをするためにはかなりの体調管理が必要です)オリンピックの出場を決めた星選手は・・・

めちゃめちゃすごいのです!!!(≧▽≦)

実は私の高校生になる甥っ子がバセドウ病なのです。 今はチア●ゾール6錠を1日2回に分けて服用しています(中学1年の時に判明しました。今年の4月の血液検査結果があまりよくなく、4錠から6錠に増量になってしまいました(涙) 薬の用量を決めるのが難しく、検査結果が悪いからといって増やしすぎても、数値が下がりすぎてしまうので先生はどのくらい増量するか悩んでいました・・・。)
その甥っ子は今、高校の水泳部の部長をしており、星選手と同じバタフライの選手なのです!

 

中学時代は水泳をやっていなくて病気のため学校も休みがちでしたが、今は、水泳部があるため、休むことなく学校に毎日通っています!

本当は激しい運動はおすすめできないと言っている主治医の小児科の先生も、水泳を頑張っている甥っ子を見て、水泳が続けられるよう協力してくれています。

 

星選手のオリンピック出場のニュースに甥っ子そして私達家族はどれだけ励まされたことでしょうか!

実力的には星選手のようにオリンピック選手」とはいきませんが、今は高校の関東大会に出られるよう、毎日、練習に励んでいます。

関東大会の予選である県大会は6月・・・そしてロンドンオリンピックが7月に始まります。

 

今年の夏、私は水泳競技に釘付けです!!!(※写真は甥っ子です^^)

ワクチンのおはなし

2012年 5月 29日 火曜日

先日、ポリオワクチンのニュースが話題になっていましたね。
今回は小児の予防接種についてお話したいと思います

 これを読んでいる皆さんは小さい頃自分がどんな予防接種を受けてきたか覚えていますか??
(私は記憶ないです)
時代によって多少の異なりはあったようですが、現在はおおむね以下のようになっています。

 

 

 

 

 

 

<定期接種>・・・原則公費負担
BCG ポリオ 三種混合(DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風) 日本脳炎 MR(麻しん風しん)

<任意接種>・・・多くは自己負担。市町村によっては公費助成がある
ヒブ 小児用肺炎球菌 ロタウィルス B型肝炎 おたふく 水疱瘡 インフルエンザ

沢山ありますね・・・
注射によっては数回接種しなければならないものあります。
(例えばヒブワクチンは間隔をあけて計4回受けなければなりません。)

接種推奨時期が決まっていたり、注射同士の間隔をあけなきゃいけなかったり、もちろん接種当日のお子様の体調も考慮しなければいけないので小児科に連れて行く親は本当に大変です。(私も1児の母なのでその苦労はよ~く分かります!)なお、主治医の判断によっては注射の同時接種も可能です。

3種類の注射を同時接種。考えただけで痛そうです
しかしワクチンを受けていれば防げる病気、もしくはかかっても重症化しにくいと言われていますから、痛い思いはさせてしまうけれど大切な我が子のため!ぜひ受けさせておきたいところですよね( ^^ )

さてポリオのニュースに絡みますが・・・
上の表で赤字が生ワクチン、青字が不活化ワクチンと言われるものです。
 

生ワクチン生きた細菌やウイルスの毒性を弱めたもので、これを接種することによってその病気にかかった場合と同じように抵抗力(免疫)ができます。

不活化ワクチン細菌やウイルスを殺し抵抗力(免疫)をつくるのに必要な成分を取り出して毒性をなくして作ったものです。

ワクチンも医薬品なので残念ながら副作用(注射では副反応と言われます)はもちろんあります。
ポリオワクチンの件も生ワクチンによって極めて稀ですがポリオに感染し麻痺の障害が発生してしまった例が問題となりました。
今回は反響の大きさも反映したのか、国もいち早く不活化ワクチン導入に動いてくれたのですが、

まだまた日本はワクチンの面では世界的に遅れているところが多いのも実情。定期接種の種類は諸国に比べて少ないです。

国民がより平等に安全にワクチン接種できる世の中が来る日を望みます。

それにしても個人的には早くノロウィルスのワクチンを開発してほしいですね。
昨年は子供のがうつって私までダウン(><) 点滴までするはめに。
しばらくトイレとお友達だったのでした(笑)