ドラッグストア薬剤師の日常のはなし

2012年 9月 18日 火曜日

ドラッグストアで働いていた時のこと。

ある日、
「いつものふりかけを下さい」

というおばあちゃんがやって来ました。
店では食品も扱っていたので、ふりかけ売り場にご案内すると
「違う違う、薬のふりかけだよぅ」
とのこと。

んん・・・?
私のつるりとした脳がフル回転。

すごい健康志向のふりかけ?頭がすごい良くなる魔法のふりかけとか?
薬のふりかけだよぅ薬のふりかけだよぅ最近そんなOTC販売してるのかな
フィルム型とかチュアブルとかあるけど都会じゃ売ってるのかねぇ
「いつもの」って言ってたよね
昔からのものかな・・・

 

私が笑顔でフリーズしている間におばあちゃんは薬コーナーにすたすたと戻っていきます。

「ああ、これこれ。ごめんねぇ。お手数かけちゃって」
手にしたものを見ると、漢方薬の顆粒でした。

ポカーン・・・・(なるほど!

「いつもめんどくさいからご飯にかけて食べちゃうんだよね」

ああ・・そうだったんですか・・ふりかけの顆粒と似てますね・・おいしいのかなぁ・・
んん?ん?? 

・・・この薬は食間ごはんと一緒にのんじゃダメだよ~!

※「食間」とは、食事と食事の間という意味で、食事を終えてから2 時間後が目安です。

食間を「ごはんの間」と勘違いしている方は意外と多いんですよ。
(ちなみに私のだんなさんも、つい最近まで誤解していたらしい)

私が今担当している窓口に、一般のお客様のくすり相談窓口があります。
一般の方からの疑問や不安は予想外のことばかりで、今さらなるほど!と気づかされることも多くあります。
また、自分が常識だと思っていることが必ずしも通じているわけではない、と感じることもしばしば。
一つ一つ誤解を解いて、薬剤師として正しく服用していただくお手伝いができたらと思っています。

ぬり薬の違いって?のはなし

2012年 9月 7日 金曜日

ぬり薬の説明をするとき、よく聞かれるのが、
軟膏やクリーム、ローションの違いです。

「暑くなってくると、軟膏のベトベト感が嫌なのよね」
「このクリーム塗ってるとなんかヒリヒリするんだよね」

こんな悩みをもつ方は少なくないはず。

そこで!! 今回は軟膏やクリーム、ローションの一般的な特徴について紹介します

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ぬり薬には主に、粘度高い順から軟膏、クリーム、ローションの3種類があります。

【軟膏】
ベタベタした油脂性基剤のぬり薬です。

 利点
皮膚を柔らかくする作用、皮膚を保護する作用が期待できます。
また、皮膚刺激作用は弱いので、患部がただれたり傷があったりジュクジュクしている時は 軟膏を使用します。
特にアトピー性皮膚炎などのカサカサ肌に適しています。
 欠点
薬の皮膚への透過性が良くなく、ベタベタして洗い落としにくいのが欠点です。

【クリーム】
水と油を混ぜ合わせて作った乳剤性基剤のぬり薬です。

 利点
軟膏ほどベタつきが無く、薬が角質へ浸透しやすいのが特徴です。
特に皮膚が厚くなった湿疹や水虫の治療などに効果的です。
軟膏のベトベト感に不快感を持つ方にクリームを使用される場合もあります。
 欠点
薬と油を混ぜるために乳化剤(界面活性剤)を使ってるので、それが傷などに刺激を与え、痛みを感じることがあるので注意が必要です。

【ローション】
約80パーセントは水でできている液状タイプのものです。

 利点
少量で広い範囲に延ばせます。
特に、毛の生えている頭部などにに使います。
ローションは一時的な浸透力は強く、手を汚さずに塗れて、冷却作用もあります。
 欠点
一般的なローションにはアルコールが含まれていますので、傷があるところやただれたところに塗ると強い刺激があります。
また、保湿作用の持続は短いです。

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<最後に>

ぬり薬は、選び方を間違えると、治るどころか逆に症状を悪化させる可能性もあります。

使用している薬に違和感を感じる時、自分でどのタイプを使ったらよいのか迷ったときには、
迷わず、薬剤師に相談することをオススメします!!

日焼け止めと子宮内膜症!?のはなし

2012年 8月 20日 月曜日

真夏の日差しが降り注ぐようになりましたね
この時期よくお世話になるのが日傘や帽子に加えて日焼け止めですが、
実は最近、日焼け止め成分の誘導体と子宮内膜症リスク上昇の関連が示された論文1)が発表されました。

これはニューヨーク州立大学からの疫学研究報告で、625名の女性を対象に尿中のベンゾフェノン濃度を分析した結果、2,4OH-ベンゾフェノンの濃度が高い女性は低い女性に比べて65%子宮内膜症のリスクが高かった、という結果でした。そしてそのベンゾフェノンの血中濃度は、特に7~8月に高い値を示しました。
以前の研究で、日焼け止めを使っている人の尿中2,4OH-ベンゾフェノン濃度は使っていない人に比べて低い事が分かっており、今回の研究は日焼け止め成分由来のベンゾフェノンが尿中で検出されたものと考察しています。

ベンゾフェノンは効果的に有害な紫外線を遮断してくれる性質があるため、その誘導体(オキソベンゾン)が日焼け止め成分として広く用いられています。
しかしこの論文の考察では、極微量が皮膚から吸収されて血中に入り、女性ホルモンエストロゲン様作用を示す事が示唆されています。

もちろん、今回ご紹介した報告だけで、日焼け止めの安全性を議論することは賢明では
ありませんが、ベンゾフェノンはかつて話題となった環境ホルモンでも話題になっており
ましたので興味深いものと思いました


   論文をお読みになりたい方はこちらのリンクよりご覧ください      
               ↓↓↓
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?cmd=HistorySearch&querykey=9

1)Urinary Concentrations of Benzophenone-type UV Filters in U.S. Women and Their Association with Endometriosis.
Kunisue T, et al
Environ Sci Technol. 2012 Apr 17;46(8):4624-32. Epub 2012 Mar 29.