花粉症とお薬 ①

2012年 2月 15日 水曜日

みなさんは、花粉症ですか?

季節性のアレルギー性鼻炎として知られる花粉症ですが、いまや、1年を通じて発症する方もいらっしゃるようです。

とはいってもやはり代表的なものはスギ科ヒノキ科の花粉。
1月から2月にかけて飛散が始まるため、症状が出始めている方もいらっしゃるかもしれません。

【主な春の花粉症原因植物の開花期】

ハンノキ【榛の木】 開花時期・・・2~4月

 スギ 【杉】 開花時期・・・2~5月

イチイ【一位】 開花時期・・・3~4月

ヒノキ【檜】 開花時期・・・3~5月

イチョウ【銀杏】 開花時期・・・4~5月

コナラ【小楢】 開花時期・・・4~5月

ケヤキ【欅】 開花時期・・・4~5月

ハルジオン【春紫苑】 開花時期・・・4~5月

シラカバ【白樺】 開花時期・・・4~6月

                       などなど

花粉症の治療には様々ありますが、忙しい方には、夜遅くまで開いている薬局やドラッグストアで手軽に買えるOTC薬が便利です。

今回はOTCの内服薬についてお話しします。

鼻炎用内服薬        

花粉症用あるいは鼻炎用として薬局などで市販されている成分は、ほとんどが次の2つに大別されます。

第1世代抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミンマレイン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩など)

花粉症はアレルギーの原因物質であるヒスタミンの働きによりくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、など多くの症状が引き起こされます。
抗ヒスタミン薬とは、花粉等によって発生したヒスタミンの働きを抑える薬です。

ヒスタミンの働きに直接的に作用するため、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどがひどいとき、花粉の飛散の多い日などに即効的な効果が期待できます。
また、すでに出てしまった症状に対しても効果があります。ただし、鼻づまりに対してはほとんど効果がありません。

副作用は眠気、口の渇き、倦怠感などがあり、次の第二世代抗ヒスタミン薬に比べると強く感じる場合が多いです。
市販薬では眠気解消のためにカフェインなどが配合されているものが多いですが、それでも完全に解消されるものではありません。
個人差がありますので一概には言えませんが、服用する際は乗り物の運転、機械の操作など危険を伴う作業は控えてください。

第2世代抗ヒスタミン薬(ケトチフェンフマル酸塩、アゼラスチン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、メキタジンなど)

一方、第2世代抗ヒスタミン薬は、抗アレルギー作用(症状を引き起こす誘発物質、ケミカルメディエーターが体内に放出されるのを元から抑える作用)と、多少の抗ヒスタミン作用を併せ持っています。

よって、出てしまった症状を鎮めるだけでなく、症状を軽くし出にくくする予防的効果もあります。
花粉の飛び始める2週間くらい前から飲み始め、シーズン中は切らさずのみ続けるようにするとよいでしょう。
それほど強力な薬ではありませんが、症状の軽い方であれば第2世代抗ヒスタミン薬のみでも効果が十分期待できます。
副作用の少ない薬が多いですが、成分・人によっては抗ヒスタミン作用や副作用(眠気など)の発現に大小があります。

近年では、錠剤やカプセルのみならず、チュアブルタイプやフィルムタイプ、スティック状に包装された液体薬なども発売されています。
これらは、個別包装でかさばらず、ポケットなどに入れておける、水なしで服用できるタイプの鼻炎薬なんです!
外出時の急な症状で困った経験がある方には便利だと思います。

抗ヒスタミン作用は眠気に比例し、古い薬ほど効果がある、という傾向もあります。
ただし効果や副作用(眠気など)には個人差がありますので、自分に合っていないと感じたら、薬剤師と相談しながら薬を替えてみるのもよいでしょう。

さらに、同時に複数の薬を服用する際には、成分や効果に同じものが含まれていることがあるということに気を付けなければなりません。
花粉症の最中に風邪をひいた場合など、薬の飲みあわせには十分注意し、薬剤師に必ず相談しましょう。

次回は、花粉症の外用薬についてお話します。             

妊婦さんと薬

2012年 1月 21日 土曜日

 先日友人から相談された事。   
         
「どうも妊娠しているみたいで・・・」

「おめでとう!」

「妊娠8週と言われたけど、気がつかずに薬飲んでたー。赤ちゃんに影響ないかなー」

「薬を飲んだのはいつ頃?」

「妊娠2週あたりかなー」

「薬の影響はないよ!!」

 薬剤師は妊婦さんに薬を渡す時には細心の注意を払います。
なのに「薬の影響はない」なんて言ってよかったのでしょうか?

男性の方も関係ないなんて思わずぜひ読んで下さいね! 

このお話をするには妊娠週数の数え方をお話する必要があります。
妊娠の週数は最終月経の初日を00日とし、06日の次は10日と数えます。
36日で妊娠1ヶ月が終わり、40日から妊娠2ヶ月目に入ります)
誤差がある場合は訂正されて、400日を出産予定日としているんですよ。

つまり、排卵が起こらない時点から数え始めているのです。

そして、受精してから着床するまで(約妊娠4週以前)の期間は、
受精卵への障害が大きければ妊娠は成立せず、
障害が小さいものであれば普通の発育が認められるとされています。

よってこの頃のお薬の服用は一般に問題ないとされているのです。
(その後、胎児の器官形成は妊娠4週頃から始まります。)

よって、

妊娠2週に薬を飲んでも「薬の影響はない」のです!
 
妊娠の時期によって、胎児へ影響しかねない薬も
あります(器官の形成の他に、胎児の発育に影響する場合など)ので、
妊娠の週数を医師や薬剤師へ伝える事はとても大切です。

お薬が妊娠に与える影響とはまだまだ、わからない事だらけです。
「妊婦さんが飲んではいけない」とされている薬はたくさんありますが、
薬の危険度やお薬を飲む時期、飲む期間によっても
胎児への影響は異なってきます。

さらに、胎児ばかりでなく、
妊婦さん自身の病気に対しても薬がどの程度必要になるのか考える必要があります。

                                                                                                            
情報が少なく薬剤師としてももどかしい部分はありますが、                     
市販薬を買う場合でもぜひ薬剤師へご相談下さい! 

                                                                                                                                                                                                

 

   

お薬、どのように選んでいますか?

2012年 1月 1日 日曜日

 あけましておめでとうございます
みなさん、楽しいお正月を過ごされたでしょうか。
関西出身の私は九州出身の旦那さんの家族に関西のお雑煮を振舞いました。

お雑煮って地域によって異なるので、その地域特有のお雑煮を食べてみるのも楽しいです
よね。  関西人の私は、やっぱり関西のお雑煮が1番好きです!
さて、 
「おいしいものをたくさん食べて胃の調子がちょっと・・・  」 
   ・・・という方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
そこで、今回は
市販されている 胃薬 について少しお話したいと思います。

ドラッグストアに行くと、ずらりとたくさんのお薬が並んでますよね。
どのようにお薬を選んでいますか?
よく名前を聞くものだと、なんとなく安心でしょうか。

胃薬ならどれでも同じようなものだと思われている方もいるかもしれませんが、
実はいろんな種類の胃薬があるんです。

消化液の分泌を促し胃の働きを活発にする健胃薬、消化酵素が成分で消化を助ける消化剤、出すぎた胃酸を中和する制酸剤、胃酸分泌を抑えるH2ブロッカーなど・・・。

胃酸の分泌を促す健胃薬に対して、胃酸分泌を抑えるH2ブロッカー。
同じ胃薬と言ってもこちらは逆の働きの薬です。

胃酸の分泌が減っていて胃の調子の悪い人が胃酸の分泌抑えるH2ブロッカーをのんだら・・・
ますます胃酸の分泌が抑えられ症状がよくならないどころか悪化してしまう可能性もあります。

このように
胃薬に限らず OO薬 という大きなくくりでは同じでも、いろんな種類のお薬があるんです。

わからない時はドラッグストアにも薬剤師さんはいるので、ぜひ相談しましょう!!
お薬を飲まなくて良い元気な体がもちろん1番ですが・・・。

また、
お薬を飲んでも症状がよくならなかったり、長引いてしまう時は早めにお医者様に診てもらう
こと、何か病気を患っている方は自分の判断で服用せず、師・薬剤師に相談すること
大切なポイントです!