かぼちゃのはなし

2023年 10月 15日 日曜日

今日はかぼちゃのお話です。

かぼちゃといえば、夏野菜?ハロウィン?冬至?

今や、スーパーで見かけない季節はありませんが、俳句の季語ではに分類されるようです。

 

日本ではかぼちゃは夏に収穫されることが多いようですが、追熟することで美味しさが増すそうです。なので、追熟した秋が一番美味しいのだそう。
※かぼちゃの種類によっても変わります。

 

なんとなくイメージがあるかもしれませんが、かぼちゃは栄養豊富!

ビタミンA(βカロテン)が豊富です。

  

ビタミンAは皮膚や粘膜を健全な状態に保つ作用があります。風邪菌は粘膜から体に侵入しますので、免疫力アップに関わるとされています。もちろんお肌の健やかさを保つことにも一役買ってくれます。

さらに、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEも含まれています。

そして、ビタミンA、C、Eはまとめてビタミンエース(ACE)と呼ばれており、これらのビタミンは一緒に取ることで、お互いを強化したり、足りない部分を補いあったりすることが期待されます。

 

また、かぼちゃの種はなんと!生薬として「南瓜仁/ナンカニン」や「南瓜子/ナンカシ」と呼ばれ虫下しとして用いられているようです。

 

美味しくって栄養豊富!さてさて、かぼちゃはどのように食べるのがお好きですか?

煮物もいいし、ケーキもいいし、BBQでの焼き野菜としてもいいですね。

先ほど紹介したビタミンAやEは油と相性がいいので、簡単にできるグリルがおすすめです◎

3センチ角程に切ったら、塩とオイルをまぶして、200℃くらいのオーブンで15-20分。火が通れば完成です。
冷蔵でも数日保存できますし、冷凍でも保存できます。いつもの食卓にもお弁当にも入れられます。

ただ、あっさりしていて飽きずに食べられてしまうので、味見としてモグモグがとまらず、結局食べ切ってしまうこともしばしば💦お試しあれ。

 

くすりとしてのコーヒーのはなし

2023年 10月 1日 日曜日

私は毎朝コーヒーを飲むのが習慣になっています。
子供の頃から朝が弱く、家族が勧めてくれたことから、このコーヒー習慣が始まりました。
おそらく、私と同じように「朝はコーヒー」という習慣を持つ方は、たくさんいるのではないかと思います。

 

コーヒーは、「嗜好品」と言われています。
つまり、お酒や煙草と同じようなジャンルです。確かにコーヒーの香りを楽しんだり、味を追求して豆や淹れ方にこだわったりする方はたくさんいます。


コーヒーを飲みながら雰囲気の良い喫茶店で過ごす休日の昼、なんていうのも素敵な楽しみですよね。生きるのに必要な栄養がほとんど含まれていないことも、「嗜好品」に分類される理由になっているようです。

そういった飲み方ももちろんあります。しかし、眠気覚ましなどの「効果」を期待してコーヒーを飲んでいる方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな人々(これを書いている私もです)は、言ってみればコーヒーを「薬」として捉えている、とも言えます。

今回は、そんな「薬」としてのコーヒーに注目してみたいと思います。

 

 

コーヒーの眠気覚まし効果は、確かなものなのでしょうか?

もちろん、コーヒーは「医薬品」ではありません。「医薬品」ではないので、「効能・効果」もなく、当然処方せんも必要ありません。

しかし、コーヒーの成分である「カフェイン」については、医薬品として販売されているものもあります。一般名は「カフェイン水和物」で、ねむけや倦怠感、一種の頭痛が「効能・効果」として認められています。用法・用量は成人で1回0.1〜0.3gを1日2〜3回、適宜増減、とされています。1回あたりの量は100mg〜300mgと読み替えてもよさそうですね。ほかにも、「無水カフェイン」や「安息香酸ナトリウムカフェイン」などの形で医薬品化されています。

また、市販の痛み止めにも配合されていることがあります。これは、頭痛に効果があることから配合されているようです。私が確認した製品では、1回量として無水カフェイン80mgが配合されていました。

農林水産省が掲示していたデータによれば、コーヒー100mLには、60mgのカフェインが含まれているそうです。コーヒーカップ1杯が約150mLと言われているので、このデータに沿うならば、コーヒー1杯には約90mgのカフェインが含まれていることになります。

この計算通りなら、コーヒー1杯で、医薬品並みの眠気対策や頭痛への効果を期待してもよさそうです。

しかし、もちろんコーヒーに含まれるカフェインの量は、医薬品のように厳密に規定されているわけではありません。それに加えて、コーヒー豆の種類や、淹れ方によっても変わってくることが想像できます。

つらい症状に対しての「薬」としては使えないと思いますが、眠気覚ましとしての効果は認められていると言ってもいいのではないでしょうか。

 

コーヒーはなぜ眠気覚ましになるのでしょうか?

カフェインにはいろいろな作用があるようですが、眠気に効くのは、脳に移行して、中枢神経を刺激することができるからのようです。ドパミンなどといった興奮性の神経伝達物質の放出を抑制するアデノシンと競合するので、興奮性の神経伝達物質の放出が増えて、中枢神経が興奮します。これによって、眠気が覚めるということです。

  

さらに、アデノシンは腎臓の尿細管再吸収を促進する働きもあります。これも競合的に阻害されるので、尿の再吸収が減る、つまり尿が増えるのです。コーヒーには利尿作用があるといわれるのは、これが理由です。

また、脳血管に直接作用して、血管を収縮させる作用もあります。すると脳内を流れる血液の量が減るので、脳血流量が増えている頭痛には効果があるようです。

 

 

コーヒーの副作用というのはあるのでしょうか?

薬には必ず効果とともに副作用があるものです。コーヒーは薬ではありませんが、眠気覚ましや利尿の効果があるならば、副作用もあるはず。医薬品としてのカフェインには、大量投与すると振戦や不整脈が現れる恐れがあることが示されています。

以前、エナジードリンクの大量摂取による死亡事故が報道されたことがありました。エナジードリンクには、コーヒーをはるかに超えるカフェインが意図的に配合されています。こういった事例も、不整脈が原因で死亡に至っているようです。ただ、一般的には、死亡するほどのカフェインを摂取するには、常識を超えた量のコーヒーを飲む必要があります。1日に3~4杯程度であれば、問題ないようです。

また、胃潰瘍の人は、悪化する可能性があるので慎重に投与すること、となっています。これは、胃酸分泌を促進する作用があるからと言われていますが、なぜ胃酸分泌が促進されるのかは、諸説あるようです。胃酸分泌が促進するなら、食後にはちょうどいいような気もしますね。

 

最後に、少しコーヒーの歴史について見てみます。

コーヒーの起源については、いくつかの話が伝わっているようです。しかし、共通しているのは、聖職者がその効能に期待して、儀式のために用いていたということです。それからはしばらく薬として飲まれており、今のような「嗜好品」になるには間があったと言われています。日本に入ってきたときも、元気になるための「薬」として紹介されていたようです。

ところで、日本にはほかにも似たような「食品」があります。それは「茶」です。茶も現在は嗜好品として飲まれているものですが、昔は薬だったと言われています。茶にもコーヒーと同じくらいカフェインが含まれており、抹茶になるとその量はコーヒーを大きく上回ります。

どちらも、西洋医学が発達し、単一の有効成分を服用できるようになった現代では、「医薬品」にはなりませんしかし、かつては薬として重要視されていました。中医学には、「薬食同源」という言葉もあります。単なる「嗜好品」でも、「医薬品」でもなく、不思議な力を秘めた「薬」として見てみると、毎日眠気覚ましに飲んでいるコーヒーもより面白く見えてくるのではないでしょうか。

 

コーヒーにはこれ以外にもたくさん、薬学や医学の観点で見て興味深い事柄が明らかになっています。がんのリスクを下げるという報告や、ポリフェノールの作用などがその例です。まだわかっていないことも多いですが、昔から重要視されてきたものには、やはりそれなりの理由があるのでしょうね。

秋刀魚には大根おろし!

2023年 9月 15日 金曜日

処暑を過ぎても暑さが続いていますが、夜になると秋の虫の声も聴こえるようになってきましたね。

秋の味覚と聞いて、様々な食材が浮かんでくると思いますが、
「秋刀魚」を思い浮かべる方も少なくないと思います。

   

熱々の秋刀魚に大根おろしを添えていただくとより一層おいしくなります。

ところでこの大根おろしですが、秋刀魚と一緒にいただくことで秋刀魚のうまみが引き立つだけではなく、体に嬉しい効果も期待できるのです。

 

 秋刀魚はが乗っているのが旨味でもありますが、胃もたれを起こしてしまう場合もあります。

大根には、ジアスターゼ(炭水化物を分解する酵素)プロテアーゼ(たんぱく質を分解する酵素)リパーゼ(脂肪を分解する酵素)などの消化酵素が含まれていますので、秋刀魚と一緒に召し上がることで秋刀魚の脂による胃もたれを緩和することが期待できます。

また、魚や肉などの焦げた部分には、発がん性が懸念される物質が含まれていますが、アミラーゼはこれらの物質を分解できる酵素でもあります。

 秋刀魚や鯖など青魚にはω-3系脂肪酸であるDHAEPAが多く含まれていることが知られています。DHAやEPAは血液をサラサラにし、中性脂肪やコレステロール値を下げる効果が期待できると言われています。

しかし、このDHAやEPAは酸素により酸化しやすい性質があります。
大根に含まれるビタミンCは強い抗酸化作用(酸化をしにくくする作用)があるため、秋刀魚と一緒に食べることで酸化によるDHAやEPAの劣化を防ぐことができるのです。

今では大衆魚として親しまれている秋刀魚ですが、江戸時代初期までは、その脂の強さからあまり好まれていなかったようです。


しかし、江戸の人口急増や飢餓による食糧危機に直面し、安く手に入るが脂っこい秋刀魚を何とか食べられないか思考を巡らせたところ、天ぷらに大根おろしを添えて食べていたところからヒントを得たようです。

毎年9月~10月に旬を迎える秋刀魚、皆さんも是非大根おろしと一緒に食べてみてください♪

 

メディカルコミュニケーター
メディカルコミュニケーター

公式Facebook

検索

カレンダー

2025年4月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

最近の投稿

カテゴリー