くすりの町 道修町(どしょうまち)のはなし

2014年 11月 1日 土曜日

大阪市内で製薬関係の会社が多く集まっている地域といえば道修町。
製薬会社も何社かあり、「くすりの町」と呼ばれています。
どうして「くすりの町」と呼ばれるようになったのでしょうか?
寛永年間(1624~1644)に堺の商人 小西吉右衛門が薬種屋を開いたことがはじまりと言われています。1722年、八代将軍 徳川吉宗は道修町の薬種中買仲間124軒を株仲間としてくすりを全国へ売る特権を与えました。明治時代に株仲間は解散しましたが、有力業者が製薬会社を立ち上げたり学校をつくったりしました。
東京に移転した会社も多いですが今でも製薬関係の会社が多く、くすりの神様を祀っている少彦名(すくなひこな)神社(神農さん)では11月に神農祭が行われ、五葉笹につるした張子の虎を求める参拝客で賑わいます。

 

 

くすりの保管のはなし

2014年 10月 15日 水曜日

薬局薬剤師として勤めていた頃、毎月定期的に薬局に来られる高齢の患者さんに、いつもと同じくすりの投薬をしていた時、「くすり(錠剤やカプセル剤)を冷蔵庫に保管してもいいですよね?」と患者さんから、何気なく尋ねられました。
「冷蔵庫に入れておけば、食べ物と一緒で安心だと思って、ずっと今まで冷蔵庫にいれて保管していた。 」とのこと。

「一部の薬剤(インスリン製剤や一部の点眼剤や坐剤)は冷所保管するものもありますが、○○さんが服用している錠剤やカプセル剤は冷蔵庫から取り出すときに吸湿してしまうこともあるので、冷蔵庫に入れないでくださいね。」と伝え、「直射日光が当たらない、涼しい場所。例えば、引き出しや缶の中などに保管してくださいね。」と伝えました。
「そうだったのね、今まで知らなかったわ。」と、患者さんは驚き、納得して帰られました。

誤った保管方法をおこなっていると、くすりの安定性が損なわれ、十分な効き目が得られない恐れがあります。
患者さんがどのように保管しているかも、時々確認することも重要だなと思った一日でした。

アクリルアミドのはなし

2014年 10月 1日 水曜日

アクリルアミドの発がん性についてご存知でしょうか?
アクリルアミドは、食品中の遊離のアスパラギンがグルコースなどの還元糖と反応することによって生成すると考えられています。
炭水化物を多く含むイモ類等を揚げたり焼いたり、高温で加工調理することでアクリルアミドが生成され、それが人に対しておそらく発がん性があるということです。
食品中の「こげ」によってアクリルアミドの生成量が増える場合もあり、こげを生ずるメイラード反応と密接な関係があるという説もあります。
特に、ポテトチップスなどのスナック菓子やフライドポテトはアクリルアミド含量がとても多いです。
かつては気軽に食べていたのですが、そんな話を耳にするとなんだか食べるのを躊躇してしまいます。
意外にも、ほうじ茶や麦茶もアクリルアミド含量が少なくないみたいです。

死因の第1位とされる悪性新生物。
発がん性のリスクを減らすために食品を加熱し過ぎないようにするべきですが、食中毒予防のためにも肉や魚などは充分に加熱したほうがいいですね。揚げ物や脂肪食ばかりを食べるのではなく、日頃からバランスのとれた食事をすることは大切です。