ドライアイの話

2013年 11月 1日 金曜日

日に日に秋も深まってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。乾いた空気を感じる方も多くなってきたかと思います。

今日は、現代病の1つとも言われる、ドライアイ😯 のお話。

 ドライアイとは、涙の分泌量や質の異常によって、目の乾燥や不快感、炎症などのほか、かすむ、ぼやける、見えづらいなど見え方にも影響が出てくる病気です。ドライアイになると涙が出なくなると思っている人が多いけれど、完全に乾いてしまうような重症例はごく一部で、涙が過剰に出るタイプや、涙が出ても安定せず目を保護する機能がはたせないタイプもあります。

 長時間のパソコン作業などで画面を凝視すると、まばたきが減り、涙の蒸発量が増えてドライアイになりやすくなります。ただ、単にそれだけが原因なら、パソコンを使い始めたばかりの人でもドライアイになるでしょう。しかし実際には、ドライアイの症状が出る多くは、半年以上パソコン作業を続けてから。しかもその症状は年数を重ねるほどひどくなる傾向です。
 慶応義塾大学医学部眼科チームがこの理由について解明したとのこと。そして、その実験方法とはラットをブランコに乗せる方法。(ちょっとカワイイかも、笑)落ちないようにバランスをとるためにまばたきが三分の一に減少した“ブランコラット”のおかげで、

「まばたきが減ると涙腺に分泌顆粒(涙を分泌するもととなるもの)が

たまって詰まり、涙が減ってドライアイになる」

ということが発見されました。まばたきが減ると、涙が出なくてもどんどんこれが涙腺にたまってしまいます。体が運動不足だと便秘になりやすいように、涙腺も便秘状態になってしまうのです。
 さらに、“ブランコラット”の副交感神経を刺激して1日1回思いっきり泣いてもらったところ、一気に分泌顆粒が排出され、ドライアイの改善効果が見られました。

意識して涙を流そう!「涙活(るいかつ)」のすすめ
 ドライアイ対策として、1日1回は涙を流すのがおすすめです。最近では「涙活」といって、見知らぬ人が集まって意識的に涙を流すというイベントもあるそうです。
涙活とは、1か月に2~3分だけでも能動的に涙を流すことによって心のデトックスを図る活動。

泣ける映画を見る
泣ける音楽を聴く
泣ける詩を朗読する
など毎回テーマを変えて
月に1~2回の「泣くためのイベント」を開催しているそうです。

 男性も女性も人前で堂々と涙を流す。緊張し抑え込まれた感情を解放して、ストレスを発散するのが目的のようですが、泣くことによって心がスッキリしてごきげんになればアンチエイジングにも効果大です。意識して泣くことは、心にも、そして目にもいい。できれば悲しみの涙ではなく、心が動く感動の涙をたくさん流したいですね。

ルノワールのリウマチとの闘いのはなし

2013年 10月 11日 金曜日

最近は、涼しくなり秋となりましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。秋と言えば芸術の秋ですね。今日は芸術の秋、ということで、芸術のお話を。

「舟遊びの人々の昼食」などで有名なピエール=オーギュスト・ルノワール

後世に多くの美しい作品を残しましたが、人生後半の約30年間を関節リウマチと闘いながらキャンバスに向かったことで知られています。

ルノワールは47歳の時に両手指のこわばりと痛みをきたしました。56歳で関節炎を発症。主治医に関節リウマチといわれ、鎮痛剤で痛みを抑えていましたが、歩行困難になるほど症状は悪化しました。医者の勧めで南仏ニースの近くのカーニュに居を移し療養していましたが、病気の進行はとめられず、やがて車椅子での生活を余儀なくされました。

今でこそ有効な治療薬が次々と発売され、治る病気となりつつあるリウマチですが、頃は19世紀。治療薬などなく、痛みも想像を絶するものだったことでしょう。

ましてやルノワールは画家。手足の硬直や痛みというのは致命的ともいえる症状です。しかし、ルノワールは絵を描くことを諦めませんでした。指の関節が変形して腫れ上がり、自分で筆を手に取ることができなくなっても、周囲の人に指の間に筆を挟んでもらい、何点ものすばらしい作品を描き続けました。

彼はこんな言葉を残しています。

「痛みはいつか消えるが、美は永遠に残る」。

「私には芸術という素晴らしい世界があるので、この痛みに耐えられる」

闘病を知り、改めて晩年の作品をみてみました。絵の中の人物はやわらかく幸せそうに微笑んでいますが、病気に負けない強い意思と、たとえ病気になっても、あきらめずにやりたいことにチャレンジすることができるという、希望がこめられているように感じてなりません。

そんな風にいつもと違った角度から見てみると今まで知っていると思っていた芸術作品も、また一味違った味わいがありますね。

毎日のお仕事が忙しいと、普段はなかなか芸術に触れる機会の無い方も多いかなと思いますが、芸術の秋、芸術鑑賞におでかけしてみるのもいいかも知れませんね。

病院薬剤師のこぼればなし

2013年 8月 1日 木曜日

暑中お見舞い申し上げます

暑い日が続きますが、暑さや寒さだけでなく患者さんのうったえは、昼夜を問いません。
以前、病院で働いていたころ、当直中に来られる患者さんも様々いらっしゃいました!!
時間と勝負のtPA(※)施行患者さんや過量服用・PTP誤飲など急を要するもの。
中には、学生さんが飲み過ぎて担ぎ込まれ、処置後打撲に対し湿布をお渡ししたこともあり、
夜間行き場のない思いを覚えたこともあります
喘息発作で運び込まれた患者さんに、救外で明け方に吸入指導をしたり、色んな経験をしました。
なぜ今?と疑問に思うケースもありましたが、医師を筆頭にスタッフ一丸となり患者さんの治療に努めていました。

直接患者さんに携わった、そんな経験があるからこそ、お電話で患者さんのお顔が直接見えなくても、頑張れると思います。
今までの経験を活かし、患者さんに寄り添える薬剤師として、今はCS業務でお力になれるように、よりよい対応に努めていこうと心がけています

※tPA・・・血栓を溶かす薬(血栓溶解薬)。脳梗塞に対して使用される。