病院薬剤師のこぼればなし

2013年 8月 1日 木曜日

暑中お見舞い申し上げます

暑い日が続きますが、暑さや寒さだけでなく患者さんのうったえは、昼夜を問いません。
以前、病院で働いていたころ、当直中に来られる患者さんも様々いらっしゃいました!!
時間と勝負のtPA(※)施行患者さんや過量服用・PTP誤飲など急を要するもの。
中には、学生さんが飲み過ぎて担ぎ込まれ、処置後打撲に対し湿布をお渡ししたこともあり、
夜間行き場のない思いを覚えたこともあります
喘息発作で運び込まれた患者さんに、救外で明け方に吸入指導をしたり、色んな経験をしました。
なぜ今?と疑問に思うケースもありましたが、医師を筆頭にスタッフ一丸となり患者さんの治療に努めていました。

直接患者さんに携わった、そんな経験があるからこそ、お電話で患者さんのお顔が直接見えなくても、頑張れると思います。
今までの経験を活かし、患者さんに寄り添える薬剤師として、今はCS業務でお力になれるように、よりよい対応に努めていこうと心がけています

※tPA・・・血栓を溶かす薬(血栓溶解薬)。脳梗塞に対して使用される。

グレープフルーツのはなし

2013年 7月 15日 月曜日

みなさんこんにちは!今回は、駆け出し実習生時代にあったエピソードをご紹介します

食べ物と薬の飲み合わせ…一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?中でも、グレープフルーツと高血圧治療薬の一種であるCa拮抗剤の相互作用は有名ですね。
薬剤師からは服薬指導の際、患者さんに注意喚起を行います。
実習中、アムロジピンの処方が出ている患者さんに、
グレープフルーツとの併用は避けてくださいね」との服薬指導を行ったところ、

「私柑橘系の果物が好きなのに、食べられなくなるなんて寂しいわ~。」
「ご近所さんからいっぱいおみかん頂いたところなのに~。」
「高血圧の人はグレープフルーツ食べちゃいけないって聞いてるから、今までも食べてないわよ。」
とのお答えが。

おやおや???
薬の飲み合わせが有名になるのはいいことですが、患者さんの誤解も多いようです。

このグレープフルーツCa拮抗薬の併用、いったい何がいけないのでしょうか?

難しく言えば、
グレープフルーツに含まれているフラノクマリンという物質がCa拮抗薬の代謝酵素であるCYP3A4を阻害し、体内の薬物濃度が上昇する危険性があるため、併用注意」となっています。

平たく言えば、
グレープフルーツに含まれる物質によって薬の代謝が遅くなるので、
必要以上に血圧が下がってしまう危険性がありますよ!」ということです。

まずポイントとして、

すべての柑橘類にフラノクマリンが含まれているわけではない

ということ。

フラノクマリンが含まれている、つまりCa拮抗薬と併用注意となるのは、グレープフルーツ、ブンタン、スウィーティ―など。一方、バレンシアオレンジ、レモン、かぼす、温州みかん等はCa拮抗薬と併用しても薬の作用が強くなることはありません

そして、グレープフルーツ等がCa拮抗薬と併用注意である理由は「薬の代謝酵素を阻害するから」であって、「高血圧だから」ではないのがお分かりでしょうか?
グレープフルーツを食べると血圧が上がるから良くない、と勘違いされている方も多いようですが、
グレープフルーツ自体が血圧を上げることはありません。(もちろん、下げることもありません。)

薬の作用が強くなるから注意が必要、ということを覚えてくださいね。

ただし、高血圧の薬には、Ca拮抗薬アンジオテンシンII受容体拮抗薬ACE阻害薬利尿薬等、様々な種類がありますが、
この中でグレープフルーツとの相互作用に関連するのはCa拮抗薬のみ。

Ca拮抗薬以外の種類の高血圧のお薬を飲まれている方は、グレープフルーツとの相互作用を気にすることはないのです。

ご自身が高血圧のお薬を服用中で、自分が服用している薬がどの種類に当てはまるのか不明な際は、薬剤師に尋ねてみてくださいね。

かといって、
「じゃあCa拮抗薬さえ飲んでなければ問題ないのね!」
と安心することはできません…
グレープフルーツは、Ca拮抗薬のほかにも、抗血小板剤(血をサラサラにするお薬)や免疫抑制剤(免疫を抑えるお薬)といった他の病気で使う薬の作用にも影響します!!

ご自身の服用されている薬は何なのか?グレープフルーツとの併用は大丈夫か?
疑問に思ったら気軽に薬剤師に尋ねてみてくださいね

チャのはなし

2013年 7月 1日 月曜日

私の大好きなお茶について。
最近ではゴボウ茶とうもろこしのヒゲ茶、・・・さまざまなが市販され、親しまれているが、「お茶」と聞いて、我々日本人がまず思い浮かべるのは日本茶(緑茶)だろう。

緑茶紅茶ウーロン茶「カメリアシネンシス」というツバキ科の茶の樹の葉。これらのお茶はみな同じ葉っぱからつくられている事を初めて聞いたとき、私は完全に耳を疑った
紅茶とウーロン茶は、色の濃さの違いはあれ、ともに「茶」色だ。
同じ茶葉なのになぜ緑茶だけあんなにきれいな黄緑色になるのか。
ざっくり言うと、発酵の工程の違いだそうだ。

不発酵茶(緑茶)
半発酵茶(ウーロン茶)
発酵茶(紅茶)
後発酵茶(プーアル茶など)・・・静岡県茶商工業協同組合HPより

緑茶のきれいな色は、「茶葉のもつ酵素を失活させ、酸化を防ぐことで固有の緑色を保たせている」ということだ。
発酵食品が健康にいいとクローズアップされてはいるが、発酵させないことによりきれいな緑色と甘みを保持した日本茶が私は大好きだ

その一方で、「茶」は嗜好品以外にも広く使用されている。
現在では、お茶の有効成分は洗浄剤や消臭剤、殺菌剤、染料、酸化防止剤にも利用されているそうだ。

また医薬品としても開発途上という。一体どんな薬が開発途上にあるのか?と調べてみると…あった!!
『ポリフェノンE』 米国食品医薬品局(FDA)で認可されている。
調べてみると、これは、茶葉から抽出・精製した茶カテキンを90%以上含む高純度の茶カテキン製剤だそうだ。
ポリフェノンEの軟膏製剤はウイルス性皮膚疾患であるコンジローマの治療薬であるという

現在、このポリフェノンEを開発した三井農林株式会社は、米国立がん研究所(NCI)と共同でポリフェノンEを使った、
肺や前立腺などのがん予防薬・治療薬の臨床試験にも取り組んでいるそうだ。がん領域での新薬にも期待したい・・・三井農林株式会社HPより

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